雑記:僕の触れたもの2023

今年印象に残っているものを備忘録程度に。気が向いたものにはコメントが入っています。(コメントの有無は完全にランダムです)

何かに触れると豊かになるね。

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【漫画】

今夜すきやきだよ

 

これ描いて死ね

 

ふつうの軽音部

rookie.shonenjump.com

もうめちゃくちゃ良いので絶対に読んでほしい。キャラクターの雰囲気も、ストーリーも、うすら寒いところもアチィところも最高なので。

 

ヤバイ


ちいかわ(セイレーン編)

※ネタバレになるのでセイレーン編と違う最新話

なんというかHUNTER×HUNTERのキメラアント編に近い感覚。それぞれが戦う・戦わない理由があり、苦しむ理由があり。それらを知る過程でお前は何を思い、それを知ったうえでお前はどう振舞うんだと思うところもあり。

真実に向き合う態度、それを知ったうえでの振舞い…俺はなんであれそれを自分で選ぶことに黄金の精神があると思うんだわ。

 

【本】

自傷的自己愛精神分析

自分大好きであるがゆえに予防線張って、そのくせプライドはいっちょ前な自分にぐっと来た。だからと言って己に刃を立てるわけじゃなくて、努めて建設的であるのも良い。

李徴子気質がある人が読んでみてもよいかも。

 

それでも女をやっていく

 

同志少女よ、敵を撃て

 

普通を誰も教えてくれない

 

コンサルティング会社完全サバイバルマニュアル

コンサルじゃない人も、今働いてない人も是非読むといいと思う。各エピソードと通じるところのある漫画や小説のセリフも入っていて単純に読みやすいのと、自分がどう生きるか、どう在るかということを考え直させてくれる。

やり続けるしかないんだわ。

 

【お笑い(テレビ)】

あちこちオードリーオアシズ

tver.jp

※現在は視聴できません

光浦さんが「皆の需要によってクソババア的なキャラクターになってたけど、人間には多面性があって、キャラクターは嘘じゃないけどそれが環境によって引き延ばされているたかも」っみたいな話をしていて、自分の一面との折り合いのつけ方を考えていた話。

演じるキャラクターがあること自体を否定しているわけではなくて、演じさせられる環境を単純に否定しているわけでもなくて、自分自身の他者への振る舞いも含めて考え直してみてもいいかもね、という優しいオチだったのも含めて、総じてよかった。

音楽ベスト10のブログで書いた「手を動かして頑張ることに光属性闇属性がある」という話もそうだし、他人の悪口を言わないようにすることと、他人への偏見を全方位にばらまくこととの両方の気質を持っていることもそうだけど、ここら辺の折り合いのつけかたに対して、変に自責になりすぎずに、うまくやっていってもいいよな、と思った。

 

お笑いエスポワール号

tver.jp

※現在は視聴できません

 

あちこちオードリー:黒澤ザマミイ回

tver.jp

※現在は視聴できません

ザ・マミィ酒井がかわいく見られたいと言ったことに対して黒沢さんが「元々ピアスしてた人間が今更変えられないよ?」と言ってたのがめちゃくちゃ良かった。心に刻んで生きていきたい名言。

 

脱法TV

tver.jp

 

ふたりのディスタンス

www.nhk-ondemand.jp

※現在は視聴できません

これ、明確に見てよかったと思ってるんだけど、なんでそう思っているかまったく整理できていなかった。

改めて考えて見てもあまりピンとこない。名前を付けないけど確かにそこにある、通じ合ってるんだか通じ合ってないんだかよく分からない距離感が面白かったのだろうか。自分にとってそういうものがあるのがいいかはちょっとまだよく分からないが。

人間関係についてあまりちゃんと考えたことはなかったけど、今年の目標である「モノゴト(世界?)との向き合い方を見つめ直し続けること」のモノゴトに人も入ってくるという意識をもって過ごそうと今思いました。

 

【お笑い(テレビ以外)】

読む余熱シリーズ

毎年のM-1グランプリの総括はじめお笑いに関するコラムやレビューが書かれている本。何が面白いかといわれると難しいけど、よく見ている人のすっと入ってくる言葉がシンプルに読んでいて楽しい。ある意味エッセイを読んでいるのに近い感覚になる。ちょっとでもお笑い好きな人にはオススメ(本当に僕程度の詳しさでも全然楽しく読める)

 

つぶぞろい2023

natalie.mu

※現在は視聴できません

歴史を知らない僕でもOPコントからずっと面白かった。

「お花が届いたぞじゃないんだよ!」

 


www.youtube.com

※現在は視聴できません

吉住が奇才すぎる。

 

霜降り明星のANNせいや真っ直ぐ回

radiko.jp

※現在は視聴できません

前者は、中田あっちゃんの提言に対して「真っ直ぐ勝負してないウンコみたいなやつが相方の名前使うな、中田」とせいやが呟いた回。終始お笑いとしてちゃんと面白かった。中田あっちゃん、本人の思いはさておき弄られると面白いんだよな。キンコン西のに近いところがあるのかも。

 

霜降り明星のANN粗品2人回

radiko.jp

※現在は視聴できません

これは聴いた人にしか説明できない。

 

YouTube

社畜OLちえ丸


www.youtube.com

ブラック企業に勤めるアラサーOLの労働(等)模様が定期的に更新されている。何が面白いというわけでもないけど、つい見てしまう。

 

サイボーグAD飯岡チェンネル


www.youtube.com

飲みっぷりがいい人の飲酒している様は見ていて本当に気持ちいい。

これを読んでいる我こそはという方、今度配信してください。投げ銭します。

 

フルタの方程式


www.youtube.com

毎回古田の喋りがうますぎる。

 

official令和ロマン


www.youtube.com

あぁ~分析だ~~

とかじゃないものばっかりで普通に面白いです。ネタがあがっているのもありがたいね。

 

こたけ正義感(逆転裁判実況)


www.youtube.com

最初はこたけ正義感が弁護士としての知識をもとに的確に突っ込んでいるのが面白いんだけど、だんだんこたけ正義感本人が感情移入してきて熱中しているのがいいんだよな。

こたけ正義感は「賞レースのネタ全組リーガルチェックしてみた」も面白いです。

 

NOBROCK TV(第3回ツッコまれたい女たち)


www.youtube.com

安田乙葉さんの演技うまっ。

 

【スポーツ】
第99回東京箱根間往復駅伝競走

www.ntv.co.jp

・勝ちにいって勝つレースができたこと

・雑草もエリートも、1年生も4年生も、エースも脇役も、絶好調の選手もアクシデントのあった選手も、ちゃんと足並みそろうのが大変だった中で、1年間の集大成としてのレースをしてくれたこと

・そこに行くまでの過程

全部良かった。皆ありがとう…。

上のリンクは99回目のダイジェスト映像だけど、サイト内リンクを飛ぶと、63回大会以降のダイジェスト映像やランナー目線の映像、過去のランナーのインタビューとかコンテンツが盛りだくさんでとても良いので是非みてください。

※ちなみに、このページのデータもめちゃくちゃ見やすいのでオススメです。これ見ながら晩酌できる。

www13.plala.or.jp

 

WBC日本代表

youtu.be

今更書くことはないけど、感動をありがとう。

 

ブダペスト世界陸上(男子マラソン・女子やり投げ・女子5000m)

youtu.be

田中希実の5000mと、山下一貴の男子マラソンもよかったです。

北口はダイヤモンドアスリートで、ちゃんとリソースをかけて育成世代から一貫した強化ができれば、今は勝てていない競技でも世界に負けないんだよなと再認識する。卓球がその最たるもの。バドもそれに近いところがあるけど。

 

ウィンブルドン男子決勝

youtu.be

アルカラス、ちゃんと見たの初めてだけど、これ強いな。単純な技術に加えてハートが強いのもあって、ディフェンス力が高い。それでいてバックハンドも強いから、攻め手もある。ナダルに近いけど(実際出身国も一緒だし)ちょっとジョコビッチ自身に似たところもある気がするんだよな。

全米は簡単にいかなかったし、テニスをする機械であるところのジョコビッチに勝つのはだいぶハードル高いけど、24年も楽しみ。

 

バスケW杯日本代表

www.youtube.com

こちらも言わずもがな。

 

プロ野球阪神タイガース

youtu.be

そんなもん当然やないか、はっきり言うて。

 

【その他】

CRAZY MONDAY GIN

ginbottle.shop

書いてある通りだけど、コリアンダーの存在燗があり、スパイス感が強く美味しい。ソーダで割ってさっぱり目の食事と合わせるもよし、単独走をしてもらうもよし。

 

ベッド

ある方が良い。

 

7G BULKY WOOL DAMAGE ROUND NECK PULLOVER / s'yte

theshopyohjiyamamoto.jp

安くて万能。


赤味噌さん

number.bunshun.jp

www.chunichi.co.jp

今年見つけた中日とレッズのファンで助っ人外国人選手事情にめちゃくちゃ詳しい一般人。

外国人選手はいつも獲得のうわさが出てから調べていたけど、貴重な情報源になった。というか詳しすぎ。

あと、わりと選手に対する意見が数値ベースなので信用できる。

 

 

ダムタイプ|2022: remap」展

www.artizon.museum

世界をどう知覚するか?そこにいる自分をどう理解するか?みたいなことを強制的に考えさせられるタフで面白い空間だった。

アーティゾン美術館自体の床面積の狭さもあって展示自体は小さいんだけど、暗闇の中で自分が今どこにいるのか・そもそも何の一部になっているのかがよく分からないし、そこで何に触れて何を知覚しようとしているのかも分からなくなる。

でも多分それはこの展示の狙いでしかなかくて、自分と周辺の輪郭というものは実に曖昧であること、周辺として知覚しているものもその一部でしかない(かもしれないこと)を通してコミュニケーションについての思いを喚起させる装置なのかな、と。

 

ところでアーティゾン美術館という名前は『「ART」(アート)と「HORIZON」(ホライゾン:地平)を組み合わせた造語で、時代を切り拓くアートの地平を多くの方に感じ取っていただきたい、という意志が込められています。』んだって。そこでダムタイプの展示やってるのアチぃ~。

当館について | アーティゾン美術館

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来年は触れたものをマメに記録しておこうと思いました(完)

雑記:僕のベストアルバム2023

2023年の振り返りなのに年内にできなかった…。

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いや、でもやらずに逃げ出すよりは良いから、1/1の今からでもやるか…。

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と思って、ルールやトンマナの確認のために去年のものを開いてみたら、更新日が「1/22」。 

toyoda9a.hatenablog.com

 

去年からの成長が見える、良いスタートですね(良いスタートとは言ってない)。

まーしょうがない

まーしょうがない

  • KOHH
  • ヒップホップ/ラップ
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

 

 

というわけで、やります。

まずルールはこちら。

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【ルール】

以下条件を満たす作品であること

・2023年に発売されたアルバム・EP

・作品を通し(曲順通り・途中停止無し)で1回以上聴いている作品

 

【判断基準】※取り消し線・赤字は去年までとの変更点

僕自身がその作品を聴くという体験を通して豊かになれること(という、大方針と、それを左右すると思う4つの観点(MECEではないが))

出会ってよかったと思える音楽であること(ざっくり、以下4つの視点の掛け合わせ)

・ジャンルまたはバンドやグループの文脈において新奇性があること

・今後も長く聴き続けたくなるエバーグリーンな作品であること

・その人にしか出せない独自性を感じるアウトプットであること

・在りたい自分(To-be)と、現状の自分(As-is)のどちらかの意味合いで、印象的であること

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10.miss you / Mr.children

miss you

miss you

ミスチルの約3年ぶりの新作。個人的には、キャリアの第一線から(結果的に)離れた人間が、「今の第一線というもの・今の自分たちが積み重ねてきたもの・一方で今の自分が持ち合わせていないものの狭間なの中で苦しんで、それでも自分たちとはこう思うんですよ」と言っているように感じた一枚。

この年齢になって、自分がどう生きるかを考えさせられる(主体的に考えているようにも思うが)ことが多く、そうした時に外部刺激の力を借りることが少なくないわけだけど、だいたいは過程のその先の話が多いように思っているんですよね(自分の理解・解釈力の欠如な可能性はある)。

それも、その先の話は手を動かして光になるパターンか・手を動かして修羅になるか・それか止めるという選択肢をとるかに収束することが多いように感じている。勿論それ自体はまだ見ぬ未来に向けて進む動機づけにはなるんだが、一方で態度を保留しつつ意思表示をする、という在り方もあっていいように思っていて。

で、それを繊細で・鋭利で・でも分かりやすい音楽という自分たちが今まで紡いできたものに載せてアウトプットしているのもアツいな、と。

入りからずっといい曲が続くんだけど、そういう内面的なところがよかった一枚。ビッグバンドの新作なので、曲紹介とかはそこら辺の有識者やヲタクたちがやっているものをみてください。

あ、でもシンプルに音がよすぎてビビるのでそこは注目。

 


9.This is why / Paramore

This Is Why

This Is Why

これは、「音楽を聴くのってやっぱり楽しいなと思えた」というシンプルかつごく個人的な理由でランクイン。

色々と思うところがあり、「とにかく手を動かして、何かに触れて、知や経験それ自体を獲得していかなければ一生嫌いな自分のまま生きて、誇れる生き様なく死んじまうぞ」という思いのもと、去年までより積極的に多少の強制力を持ってでも音楽を聴こうとしていたのが今年(23年)のはじめ。

そんな中で、元々好きだったParamoreのアルバムがよすぎて、音楽を聴くという行為に自然とカムバックできたこと・積極的ではあっても必ずしも強制力を持って聴くことはしなくてもよいのでは?と思えたことがこの一年においてとても大きかったですね。

アルバム全体としても、前作After Laughterでのポップでカラフルでちょっとオールドスクールなところと、前々作までの激烈でパワーポップのパワー成分が強めなところと、それらの止揚にたどり着ている感があって好きです。

曲順に聞いてなんぼな一枚。

 


8.大吉 / Summer Eye

シャムキャッツの夏目君がSummer Eye名義で出した一枚。これ、もしかしたら将来カルト的に人気になったりしないかな…?と思っている怪作。

個人的にシャムキャッツの優しくてポップだけど、そういう認識を持たれていることには真正面から受け止めない不思議な音楽がとても好きだったんですよね。

なので?、解散してそうした音楽の方向性から変わってしますのであれば別にソロ名義を聴くのも…と思っていたし、一方でそうしたシャムキャッツのそれと変わりない音楽なのであればそれはそれで聴く意味もないし…と矛盾しているけど確かに両立した感情を抱いていたのが解散直後。

ところが、何の気なしに聴いてみたらキラキラと輝くポップミュージックが、二字熟語のみの飾らないタイトルで並んでいてびっくりした。しかもじっくり聴いてみると中南米っぽい独特のリズム感だし、音はアシッドハウス(なのかな?)ぽいもので作られていて。

先に書いた謎の感情のすべてを上回るアウトプットだったということで、もうこれ以上何も言うことはありません。

全体的に前向きで、ただありがとう…ありがとう…と享受するばかりであるな。

 


7.私は何を言っていますか? / kiss the gambler

What am I saying?

What am I saying?

  • kiss the gambler
  • J-Pop
  • ¥2241

最初はタイトルが面白いという浅い理由で聴きはじめたんだけど、スケールのでかいポップな音に、暗くはないけど繊細な心情描写を歌う朗らかな声で、柴田聡子を初めて聴いた時と似た気持ちになった一枚(柴田聡子の方が、もっと内省的で・ポップ要素は薄いと思うけど)。

似た気持ちになった理由は、多分だけど「自分が思っていること、自分が表現したいこと」にものすごく正直だからなんじゃないかなぁと。そして、それができるだけの自分との対話を繰り返している(≒自分に深く潜り、時には自分を内破するような営みを繰り返している)んだろうなと感じるから好きになったんだなとも思いました。

私は何を言っていますか?は本心でもあると思うし、私は何を言っていると(あなたは思い)ますか?という意味もあるし、私(たち)は何を言っていますか?という意味もあるのかな。いや好き。

あとアーティスト名もかっこよ。

 

 

6.映帶する煙 / 君島大空

このアルバムは、めちゃくちゃすごいんだけど、正直僕の音楽リテラシーではすごさを説明できないので、とりあえず一回聴いてください。曲順に素直に聞くのがベストだけど、雰囲気的には全部シングルみたいなところもあるので、断片的に聴いてもいいっちゃ良いような気がします。

音楽はギターがちょっとジャズっぽい感じ?、歌詞は描写の言わんとしていることが正直よく分からない(僕の頭が悪いだけ説は大いにある)、でも確かにめちゃくちゃすごいの、めちゃくちゃすごい作品だとは割と自信を持って言える。

kiss the gamblerもだけど、こういう人たちのこれからを追いかけて見てみたいな。



5.石のような自由 / 家主

石のような自由

石のような自由

  • 家主
  • ロック
  • ¥2444

このバンド、今まで知らなかったのが悔しいレベルでめちゃくちゃ良い。いや久しぶりにちゃんとライブに行きたいバンドに出会ったかもしれない。

歌メロはどこかに優しい印象もあるけど、結構演奏がアグレッシブで、なんというかロックバンドだな!と思う。ロックバンドってこんなんだわ、そう。スケールが大きくて技巧もあり、どこか情緒的な感じ。一曲目からエレキギターがかきならされていて。これはギターロックです。

と思いながら聞いてるとかなり精巧に作られていて自分の理解が追い付かなくなっている感もあるんだけど。

※映帶する煙に続いて文章が素っ気ないですが、中だるみしているわけではなくて本当に自分の理解が追い付かない上質さというだけです

 

 

4.luminous / ART-SCHOOL

ART-SCHOOL、時を経ても変わらず、いや一層ART-SCHOOLでよすぎる…。

まず、「記憶を掻き立てる装置としてのサウンドスケープの精度の引くほどの高さ」が良かった…。

透明感はあるんだけどディストーションもすごくて、でもそれがバランスよくなんならさわやかに共存した音を作るという印象がある。それが清濁どちらの要素もはらんでいる結果音が描く風景があまりにクリアになるのかな。

あとは、「葛藤と意志が描かれていて、そこに寄り添ってきていること」。

個人的にはART-SCHOOLとい基本的に自己と周辺の関係における繊細さを描いているバンドと理解していて。で、その時のスタンスは「繊細さゆえに自分が醜く情けなく消えたいときもあるよね、そうだよね、俺たち皆そうだよ(=葛藤パートへの寄り添い)」というメッセージを歌詞中心に、「でもそうして俺たちここにいるんだよ(意志パートへの寄り添い)」というメッセージを音楽中心に伝える、というものだと思っている。

これについて今回のアルバムで考えてみると、テーマが「喪失と再生」ということなので、喪失≒葛藤、再生≒意志みたいなことになるのかな、と。

それに加えて、長い活動期間や休止期間を経たからなのか、再生≒意志の部分が過去作と比べて色濃いのがよかったのだと思う。迷い続けた人間の力強さみたいなの、10位で触れた過程のその先の話ではないけど、長い人生における光なんですよね…。ありがとう…ありがとう…。

 

3.the record / boygenius

the record

the record

良い!!!俺たちは他の誰に・何に飲まれるでもなく、自分たちそのものを等身大に生きていくしかない!!!できるだけ大きな声を出して!!!

 

2.Get Up / NewJeans

曲も世界観も服装もPVも何もかも最早ノスタルジーそのものすぎて、存在した過去をそのまま描いていると思える世界観全体がNewJeansのすごいところだな、と。

初めてNewJeansを知った時は、1stのEPもDittoのPVがで既に出ていたタイミングて、どちらも感動したんだけど、一方でこの先どうなるのかなという思いもあったんですよね。なんというか練りに練られたことを隠さない感覚(と、でもそのギミックは深堀る余地が多くてファンを逆オオカミ少年にさせるところ)と、哀愁・悲壮感を若さと女性性に混ぜ合わせて売り出すところと、マリオネット感とがサイレントマジョリティーのころの欅坂を思い出して尻切れトンボになるのかなという。

ただ、系統こそ少し違えど(個人的には1stの方が好き)ちゃんと練ってきたコンテンツを出してきて、正直プロデュースしているものと、(僕がマリオネットと言ってしまった)本人たちとの実力の差なのかな、と。

 

もうクオリティは当分は大丈夫だと思うので、この調子で世界に羽ばたいてください。気合入ったアウトプットを見れたシンプルな喜びと、曲が作りこまれているのでエバーグリーンとまではいわずともちゃんと大衆性があったのと、ベスト10の中ではちょっと浮いているけど入れないわけにはいかなかったですね…。

サウンドトラックの話やPVの作りこみの話は、方々で散々語られていると思うのでそれを探して読んでください。

 

1.ひみつスタジオ / スピッツ

Himitsu Studio

Himitsu Studio

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在りたい自分とは何で、そこに行く過程って何で、ということが未だに全然分からないけど(そういうものなのかもしれないが)、向き合い方を増やしながら、何かに触れて豊かになりながら、今年も生きていこうと思います。

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※おまけ

書きつかれたので言葉はないですが、上記には含めなかったけどよかったと思うものも少々…。

・家の外 / OGRE YOU ASSHOLE

積読ならぬ積聴をしてしまっていたEP、年越しのタイミングで先輩がおススメしてて聴いたらめちゃよかった。2曲目の「家の外」と、4曲目の「長い間」がよかった。

 

・40代はいろいろ / 宇多田ヒカル

シンプルにアレンジよすぎ

 

・永遠少女 / ZAZEN BOYOS

永遠少女

永遠少女

  • provided courtesy of iTunes

新譜楽しみすぎ。

 

 

 

雑記:僕のベストアルバム2022

久しぶりに、やります。

なぜならば、やることにしか人生の答えはないから。過ぎ行く毎日を上手くまわすことだけ上手くなって、その過程で失っていった(=選択しなかった)ことに物憂げな顔で想いを馳せるような人生とは、一秒でも早く決別しないといけないんですわ。

 

というわけで、再生の手始めに、今年聴いた音楽のマイベストランキングについてのお話です。

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【ルール】

以下条件を満たす作品であること

・2022年に発売されたアルバム・EP

・アルバムを通し(曲順通り・途中停止無し)で1回以上聴いている作品

 

【判断基準】

出会ってよかったと思える音楽であること(ざっくり、以下4つの視点の掛け合わせ)

・ジャンルまたはバンドやグループの文脈において新奇性があること

・今後も長く聴き続けたくなるエバーグリーンな作品であること

・その人にしか出せない独自性を感じるアウトプットであること

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10位 Search + Destroy / Luby Sparks


www.youtube.com

 

■コメント

Luby Sparksは前作の時点ではザ・インディーロックという感じのバンドで、実際ドリーミーな曲も多かったんだけど、今回は一点して地に足着いた重厚な音楽を出してきたなと思う(勿論インディーロックが地に足着いていななんて言うつもりはないけど)。

で、こういう変化って「変化後のアウトプットがより良いか」は勿論「その変化自体が受容されるか」という点でも色々を言われやすい、まぁ何と言うかしちめんどくさい事象だと思ってるんだけど、そんなのどこ吹く風というくらいにその変化が自然と音楽に落とし込まれているな~と思う。

バンドマンの出自を考えると00年代とかの音楽(恐らくアブリルとか)を通っていると思ってるんだけど、先述の「その変化自体が受容されるか」みたいな観点でいうと王道の影響が顕在化しているのってやっぱりちょっと否定や難解さが是とされやすい世の中との相性が悪いと思うんだよな。

でも、そうしたことを特に隠すでもなくガツンとアウトプットしてきて、そのクオリティも申し分なくて、なんというか斜めな自分が恥ずかしいなと思うし、その若さの感覚がめちゃくちゃ尊いなと思う。

●●について語る時に▲▲が出てくるのは偽物…みたいな知識人仕草ってどこにでも存在して、広くて浅い人って一見するとこういう仕草との噛み合わせが絶望的に悪いけど、それはもうアウトプットのクオリティによって圧倒して、見せつけるしかないんだよな…。30代になった2022年に、再生し始めた2022年に出会ってよかった。

 

 

9位 LOVE ALL SERVE ALL / 藤井風


www.youtube.com

■コメント

ジャニーズと羽生結弦以外ではクソリプオバサン人数が一番多い男性こと藤井風の新譜。

個人的には前作が良すぎて、その後に出てきた各シングルたちはJ-POP覇王としての道を歩んでいる感は伝わるものの衝撃はそこまでだな~と思っていたら、こうしてアルバムとして並べられると本当に美しくて怖くて泣いちゃった…。日本において、POPとしてもR&Bとしても時代の先導者すぎて、10位以内に入れざるを得ない…

今さら言うまでもないけど、とにかくインプットが多くて、その落とし込み方が大衆になじみの良いそれになっているのって、要は本人の脳内で知的編集ができている(=付加価値を出せている)ってことで…。僕は仕事においてそれができているのか…ウッ…。

 

 

8位 The Car / Arctic Monkyes


www.youtube.com

■コメント

21世紀の先駆者Arctic Monkyesの新譜。アレックスターナー、37歳でこの昇華された音楽、マジで人生何周目なんだ…。

ありていに言うとモダンなロックなんだけど、例えばピアノが活きていた前作の流れがあるからバロックっぽい音楽とストリングスの取り入れが光る…といったように過去作品からの地続きでこの作品があるところがすごいと思う。そして、それは3rdのAMから始まっていたんだな…と。

僕は、恐らく多くいるであろう「アクモンは1stが最高!2ndもいいけど徐々に聴かなくなっちゃったな…いや良いとは思うけど…」みたいな人の一人なんだけど、その時にはもうアレックスターナーにはもっと先が見えていて、何ならこの作品の先もあるんだろうな、と思う。マジで見えている景色が違う。天才。

僕たち民衆を導いてくれる、もう一度言うけど21世紀の先駆者なんだわ…。

 

 

7位 ほぼゆめ / kabanagu


www.youtube.com

■コメント

ルックバックとか呪術廻戦とか、真空ジェシカとか粗品とか、僕たち(便宜上アラサーを僕たちとします)と同じ時代に青春をし、それを経験としてアウトプットに繋げているモノ・人たちが増えていると思う。

そうした人たちのアウトプットを見ていると、自分では何もしていないのに勝手にカタルシス感じたりやった気になったりすることがあるし、”青春”らしいものを勝手に受け取って勝手に気持ちよくなったりすることがある。ただ、僕はこういう有り様は完全に良くないことだと思っているて、かなり嫌忌している。

とここまで書くとこのアルバムをベスト10に入れているのがおかしいような気もするけど、なんていうかそういう御託はいらず、ただただ””普通にいい曲(群)””だと思ったんだから、その思いを変にひねくれずに吐き出そう、と思ったのでこうして今コメントを書いている。

僕自身が至らなくてつまらない人間であっても、カッコつけずに、逆にカッコ悪ぶらずに、混じり気の無い心で、いいと思ったものを正直に言いといおうと思いました。すべての想いの混濁の先にまっさらな気持ちになるだろうから、そうした心で話そうと思いました。

なんかコメントというより過去と未来の自分への私信みたいになってしまった。

(あと、このタイプの同年代がこれからどういうアウトプットを出すような成長をしていくのか、自分自身の在り方を見つめ直す上でめちゃくちゃ興味がある、という思いもある)

 

 

6位 Being Funny In a Foreign Language / THE 1975


www.youtube.com

■コメント

ベタに入れてしまった…。でも7位のコメントの通り、良いと思ったなら変にこねずにそれをそのまま出した方がいいはずなので。

1975について、個人的に一番好きなのは今作ではないんだけど、それでも今作が一番良いなと思うところもある。

アルバムとしては、美味しい食材を最低限の調理で最大限シンプルに出してきている感じ。それが最大に美味しいかどうかは別として、そのすごく原点的な感じを今の1975がやってくれていることにグッとくる。勿論大きくなった今やるべきタイミングだったのかもしれないし、どこかでcovidもあって自信を振り返ったみたいなインタビューも呼んだけども。

そして、その結果として?、愛とか幸福とか身近なことを歌ってくれているところ(I’m in love with you/Happiness…etc)にグッとくる。なんというかごく身近な周辺を世界として捉えているんだろうなと思う。

上座部仏教(確か)が「我執を無くすこと」を良しとしているとか、ニーチェニヒリズムとか、(これらは僕の理解が足りていない気も大いにするが)なんというか突き詰めていくと一周まわって超越する、みたいな思考の巡りが確かにあるのかなと思う今日この頃。(最近だと宇多田ヒカルとかもこれに近いアウトプットをすると思う)。

自分自身、そういう道を目指していけばいいのかな?目指せるのかな?という漠然とした思いやそれに伴う不安があったんだけど、そんな中でこのアルバムを聴けた悦びと、そうした超越したstageに進んでいくバンドをリアルタイムで見られる悦びとがあった。

1975、個人も地球全体も代表するバンドといえる。ヲタク特有のクソデカ概念。

 

 

5位 日の当たる場所にきてよ / 宇宙ネコ子


www.youtube.com

■コメント

良い~。こういう音楽聴いて良いと思う、出力強いニューカマー*に感動しているこの感覚、音楽を聴いているな~と思える。

*…一応もう3rdのはずではあるが

確かなテクと音の大きさ・歪みがイカす演奏に電波っぽい歌声を乗せること自体は相対性理論くらいから長く定着している気がするし、僕はそこに感じられる「お前らこんなん好きなんでっしゃろ」感というか、商業的で安易で女性というキャラクターを一面的に使う感じとかがあまり好きではないと思っている。

だけど、シューゲ・ドリームポップとしての充実度というのか、曲自体とボーカルが淡々としているようでめちゃくちゃギターが波打っている感じが、悔しいけど、存在しない記憶を喚起させて心と脳を破壊してくる。

エモいという概念がずっと良く分かっていなくて言葉としてもなるべく使わないようにしていたんだけど、強いて言うなら「個人的な経験と一般的な経験とがリンクして、その共通部分或いはギャップの部分の輪郭を捉えたときに、そこに当時の自分を思い出し、それを一定許容する気持ちのこと」なのかもしれない。最後の段落、アルバムにあんまり関係ないけど。

 

 

4位 demon time / Mura Masa 

demon time

demon time

  • Mura Masa & BAYLI
  • エレクトロニック
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

■コメント

良い!まず音楽としての没入感がすごい。元々出自多彩な人ではあったけど、引き出しが多いのにアルバムとしての流れが自然すぎて、気が付けば聴き終わっている感じ(最近のアルバムらしく一枚の時間が短いのも影響してるんだろうけど)。

アルバム自体は意外と?明るくなっていると思う。コロナ禍の影響もあってとかく内省的なムーブが増えていると思うんだけど、コロナ禍で音楽を辞めることも考えたらしい彼が、ちゃんと心身の健康と向き合って、その結果としてこういう未来を向いた(ような気がする)アウトプットを出してくれているのが嬉しい。

 

2022年は、良くなった一年だったと自分で思っていたけど、振り返るとどこか自分にそう言い聞かせている部分があって、不出来な自分を一個一個潰していくために(それ自体はとてもいいことだが)、どうも生き急いでいた部分があったように思う。自分に対して投げやりと言うか、人生に対してやけくそというか。

ちょうどそうした似非加速をしていた時にこの曲を聴いていて、その時は躁状態としてこのアルバムが好きだったと思う。一方で今はちょっとそれが落ち着いたというか、2022年の取り組みがあまりよくなかったのでは?と思い始めているタイミングでこの曲を聴いて、そういうことじゃないんだよと思わされる意味でもこのアルバムの良さをかみしめている。

多分今の感情と人生の波はあと数か月でどこかに着地すると思っているので、その時にまた聴いてみたいなと思った。

個人的に光となる一枚。

 

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3位以内を語る前に、ここに入れなかった(入らなかった)けど良かった作品を少々…

世界はここで回るよ / 君島大空


www.youtube.com

天才のそれ。つい最近アルバムとして出たけど、この曲単体では22年に発売。シングルなので今回入れられなかった。

僕の感想は以下がすべて

https://twitter.com/Tire9a/status/1598710480226643968?s=20&t=NgtVmukF5p4Qw6tpke9Pmg

 

(四季シリーズ) / Weezer


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リバースクオモ最高だよ…。全部良くて、四季シリーズで一つ感もあったから入れられなかった。

ポップでロックでファニーでデストロイで、個人的な原点音楽だ。長く付き合っていくんだろうな。

 

Hotel Insomonia / For Tracy Hyde


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年間ベストみたいなやつは12月発売がどうしても不利になる。このアルバム、めっちゃ良かったから発売時期によっては聴きこんでベスト10だったんじゃないかな。

日本のシューゲイザーの引っ張る存在だと思う。解散惜しすぎる。

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戻ります。

 

 

3位 Blue lev / Alvvays


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■コメント

これも4位と同じく、とにかく音楽として好き!全部いいんだけど、Belinda Says(リンクの曲)が特に好き。引き出しエグい。そこで転調?!とか。

邦楽洋楽という括りはそろそろ…と思ってやめた身で言うのもなんだけど、今年No.1洋楽だった。いやちょっとどんな文字よりも聴くのが一番なので是非。逆に書けん。

 

 

2位 Les Mise Blue / Syrup16g


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■コメント

今年は1位のアルバムがあまりに断トツすぎて、このまま終わっていくんだろうなと思っていた。この新譜を聴くまでは。

何歳になってもどこか心は成長していないままで、なんとなくイメージしていた、或いはイメージすらしていなかった年相応の大人というものには到底近づけていないなと思いながら今日を生きている。こんな仕上がりになるとは思っていなかったな~と、自嘲しながら今日を生きている。

そうした成熟すべきなのに成熟していない生っていうのは、ふとした瞬間にそれを突き詰められてめちゃくちゃ惨めで情けなくなる。そうした時に、不出来を笑って、不完全もまた味だよねなんて言い訳をしながら、いなたいキャラを解離的に仕立て上げたりする。

でも、そういう人生は、もうその先に何もないんだよな。不出来は、コンプレックスは真正面から対峙して、一個一個潰していくしない。その過程はずっと惨めだしカッコ悪いし、それこそ良い歳して何やってんだって気はするけど、やると言ったことはもうやるしかない。やることにしか人生の応えはないんだから。

そう思って2022年、しょうもないことでもやり切る、その一秒を削り出して、適当な仕上がりでそれっぽい言い訳はしない、と思ってなにかを頑張ってみた(何が悲しいってこんなことは同年代の人は既に通過しているってことだ)。

ただ、syrupの新譜を聴いてしばらくしてから気づいたんだけど、このアプローチは一つ問題を抱えている。結局、この半ば自傷的な頑張りとそこに内在する気持ちそれ自体が、青春を経て大人になっていく自分の呪縛の中でのモノにすぎないということ。

実際、僕自身27歳を超えてどう生きようとなった時に、なんとなく悟ったような・或いはバランス感覚のいいような生き方が正なんだろうとは思っていながら、そこに至る過程は全然見えていなくて。それ自体に不安や絶望を感じてはいて。今思うと論理の飛躍甚だしいんだけど、だからなのか上述の自傷ムーヴにたどり着いてしまったんだと思う。

 

で、ようやくアルバムの話をすると、上記のような色々から解放されてもいいし、されなくてもいい、すべていい意味でないまぜにして、全て飲み込んで、努めて淡々と来たる未来を受容し、今日を積んでいくことが大事なんだな、とそんなメッセージがあるアルバムだな、と思う。

大人になる過程(しかも上述の通り成熟はできていない)の苦しみ・自分が長い死に向かうだけの人生をどう生きていくか分からない苦悩・自分だけが変われていないという焦りは惨めさ・自分だけが変わってしまったという絶望・何も成し遂げていない何者でもないという厳然たる事実…。それはある、それでいい。ただ、あることとそれに縛られることとは全然違う(そういう意味では解放されるというニュアンスなのかもしれないが)。

 

そして、何よりそれをsyrupが歌っているのがすごい。ずっと暗かったsyrupが。「君に存在価値はあるかそしてその根拠とは何だ」なんてことを歌っていた、しかも「生活」というタイトルでこんなことを歌っていたsyrupが。

 

僕は多分これからも苦しむ。自信と深みを裏付けるような知識も経験も乏しいくせに、一丁前にプライドと理想だけはデカくて、そのうえ自己愛も強くて、挙句自己愛が強いからこそ変なところで自分を守るために自傷行為に逃げるような僕はこれらからも苦しむ。でも、大丈夫かもしれない。迷いながらこのアルバムをふと手に取ることで、もしかしたらやっていけるのかもしれない。その日一日を、淡々と。

 

 

長々書いたアルバムを越える第一位はこちら。正直オッズ1.1倍くらいでした。

 

 

1位 BADモード / 宇多田ヒカル


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■コメント

黙って曲順に通しで聴いてください。以上。

 

 

 

 

今年もやっていくか~。

何かやっていったら、人生の答えに近づけるかもしれないから。

2021年上半期振り返り①~良かったコンテンツ(音楽以外)~

つくづく思うけど、世界は自分が思っているよりも悪意や欺瞞・卑怯が満ち溢れているな。

まぁでも、そういうモノに接する羽目になるのも当然自己責任なわけだし、なんであれ少しでも良い世界を遺していくしかないんだわ。

 

2021年上半期の良かったコンテンツ。

 

マヂカルラブリーの寄席

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野田クリ(ぼくの2020年ベスト男の子ランキング第6位)が時代の旗手であることを痛感させられた動画。オンライン配信でもう今は見られないので、見られなかった人は残念ですね…。粗品とかもそうだけど、時代を変えうる人がそれに然るべきムーブを見せていることって本当に興奮するんだよな。閉塞した世界にたいして捨てたもんじゃないと思ってしまう、完全にHappy 大作戦なんだわ。

もっといいアイディア、いっぱい出し合って切磋琢磨するしかない。

Happy大作戦

Happy大作戦

  • provided courtesy of iTunes

 

粗品、熱海の件はちゃんと総括してくれ)

 

たりないふたり

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最近、歳と、時代背景もあってか刃(或いは竹槍)を持って世界と対峙してきた人が、その対峙という状態自体もひっくるめて大きく世界を抱きしめる、という話が多いと思うんだよな。又吉先生の人間、宇多田ヒカルの道以降、おざけんのso kakkkoii宇宙…。

勿論これらは例外なく全部大好きで、本当に救われてきたんだけど、エナジーとしての怒りに対する帰着がそれなのか?という僕の心の中の若様がまだいる感覚はすごくあって。

日向坂46】佐々木久美、若林さんの名言『あちこちオードリー』のあのグッズを身に付けるwwww - 坂道まとまとめ速報

その中でこれを見て思ったのは、抱きしめることと戦い続けることは完全に両立するんだなということ。そして先にあげた人たちもそう思っていたんだろうな、と。全てを受け入れ、今日も石を積んでいくしかない。

視聴後に気合が入ったコンテンツ。

 

●(シン・)エヴァンゲリオン

ありがとう。

 

●責任という虚構/小坂井 敏晶

 

 

本。「人間は自由意志を持った主体的存在であり、自己の行為に責任を負う。というけどそいつはどうかな?」という姿勢に買ってしまった本だけど、総じて良かったと思っている。

ところで、僕自身「人生の結果責任は自分にある(より正確に言うと自分にないことはない)」と思い、最近は常にこれを掲げている。

勿論、これは個人の選択権が保障されている状態が前提になると思っているし、常に選択権が保障されているっていうのは非常に苦しい状態だとも思っている。(自由で選べる余地がある状態の苦痛については自由からの逃走を始め無限に語られている話だとは思いますが)

だから、現実問題として「人生の結果責任は自分にある(より正確に言うと自分にないことはない)」という視野狭窄しばきマッチョ理論は全然イケていないことのはず。

それでも何故先の主張をささげているか?それは、原則としてそうであることとは全く別として、結果を前にした時の無力感に耐えられないから。大人になるにつれて現実問題として自分が関わる事象は増えていくのは勿論ですけど、その結果は良し悪しに関係なく自分以外の人にも影響してしまうじゃないですか。同僚、部下、親族、友人、ご近所さん…。良い歳して、それらに目を向けずに目の前のコトだけやってストイックに頑張っているぶるつもりなのか?俺たちはそれでいいのか?

(すごく強引で急な話をしてしまいましたが、29歳の振り返りでも触れる予定なのでそれまでにはしっかりまとめます)

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※内容としては、「責任てのは社会構造によって産み出される虚構でしかない、なぜなら、責任の前提になる”私という個人の自由”は本来的には成立しないから」という本だと思っているんだけど、一方で「とはいえ責任だってその後ろにある個人の自由だって、たとえそれが虚構だとしても必要なものだ」とも言っていると思っています。

 

●リサーチ・ドリブン・イノベーション 「問い」を起点にアイデアを探究する/安斎 勇樹 、 小田 裕和

 

勉強のために本を読むのが大嫌い(でえっきれぇ)なんだけど、そんなことを言っていると、鼻をほじりクソをして合間に好きなことと飲酒をして寝る虚無デギャルソンになってしまうので、4連休以上の時には何かしら勉強の本を読む、と決めているのですが…そうしているとク●ソの掃きだめみたいな経済を回したことにしか価値がないような駄本にも出会うわけで…ただこの本は久しぶりに良かったです。

僕はおっぱぶの店長の傍らリサーチャーという肩書で仕事に勤しんでいるんですけど、結局のところリサーチをしようがそこに問い(という課題・仮説の設定)がないと何も始まらないし、何ならそこの課題や仮説の奥に理想や気持ちが入っていないと始まらないんですよね。ここら辺はイシューから始めよあたりを読めばよく書いてあることですが…。

一方で本当に世の中には取り敢えず調査をすればいい、データを見ればいいみたいなブルシットジョブメーカーであるマーケターやお偉いさんがいっぱいいて、結局何かよくわからない仕事風のそれが世にあふれてしまっているんですよね。この本は、それに対して一石を投じてくれるものだと思っています。

問題は何か?解決すべきことは何か?その解決すべきことを見出すために、自分がこうなっていてほしい、こうなっているべきと思うことは考えているか?それによってステークホルダーは良くなれるか?そのためにはどんなデータを活用するとよいか?そのデータの根拠は何か?他に着目すべきデータはあるか?それに派生して何かを調べる必要はないか?今あるデータと矛盾・あるいは因果の関係になっているデータはあるか?…などなど。

書いてあることはその通りなんだけど、これをその通りだと思うのはリサーチャー兼コンサルみたいな仕事柄によるところもありそう。若いマーケターやおじさんに特におすすめかもしれないし、そうでないかもしれません。

 

●あちこちオードリー/反省ノートSP

www.tv-tokyo.co.jp

ちょっと前に某アナウンサーが「人には人の地獄がある」と言っていて、それはまぁその通りだなと思うんだけど、これが闇属性を振りかざす言い訳になってしまっている節があるような印象を受けるんですよね。

でも、そ「人には人の地獄がある」っていうのはあくまで「飾らずにむき出しで向き合え」って意味であるはずで、闇属性をいいように振りかざしてしまったらそれは深いところで自分をごまかしている=むき出しでなく上辺で向き合っている、ことに他ならないわけで。あくまで光で構えて、前向きで行くのが正だなと。でないと、本当にフォームを崩してしまう。

俺たちはプリキュアなんだわ。

 

アメトーーク/立ちトーーク

ametalk-club.tv-asahi.co.jp

囲碁将棋のトークが個人的に大好きだったのでピックアップ。ぜひ見てほしいです。

それはそうとして、アメトーークCLUBわりといいですね。月額700円という金額をどうみるかによりますが…

 

 

惨めな気持ちでも、今日もほんの少しでも、石を積んでいくことにしか光はないし、もっと言うとそうでないと僕たちは死んでしまうんですね。やっていきます。

お前がやるしかないって話

森さんの発言を赦せない(赦すわけにはいかない)と思うのは以下の点

それがだめだということが分かっている、より正確に言うと社会でダメと言われていることを事象として理解し、なおその上でそんなものくだらないというメタの視点を取っている

(先生に怒られるからうまくやろうぜ…的な話)

そしてそれを公共の場で言わせている(社会が舐められている)

その発言をしているわりに、あくまで人の口から…という言い方にして茶を濁している

 

私は女性を登用する…と言っているが何もわかっていない。その理由が「うちの人はわきまえている」なのがその証左。お前が、お前が欲する男性優位の規範の中で都合のいい奴を求めていることがそれ。人としても組織の長としてもカスかよ。

 

行ってしまえばオリンピック憲章とかの問題じゃない。より良い世界になることに対し「そうあるべきではない」と言っているのと同じでは?

 

 

それに対して、他に誰がいるの?とかいうやつ、全然意味わからない。他の誰もが代替できるだろ。だって世界に名を出していく人間があれだぞ。恥ずかしくないのかよ。そしてそれを許容してはならないだろ、お前はWW2のあの時期に戻って、ヒトラー以外に人はいないからしょうがないっていうのかよ。あってはならないイデオロギーを振りかざす人間を据え置く理由には一ミリもならねぇだろ脳髄くさってんのか。

 

 

でも、それもすべて俺の責任なんだよな。

俺はこの世界の構成者のくせに何かできたのかよ。あんな価値観をアップデートできていないじいさん(歳のことを言いたいわけではない)、をトップにおいてしまう、そしてそれを許容してしまう、今回みたいなことがあってもやめるなという人がいる、他に選べる人がいないと思わせる、そんな世界にしたのも俺らなんじゃないのか。

事実を読み取れとか言って全然読み取れない人間を世界に当然のように作らせているのも俺らじゃないのか。

 

対案の無い批判は…とかいう疑問への抑圧的意見を当然のように蔓延らせる世界を作らせたのは俺らじゃないのか。

実行力のあるものがいないと…などという視野狭窄なパフォーマンス尺度を持ち出しているのは俺らじゃないのか…。

俺ら、じゃなくて俺じゃないのか。

 

この1ヶ月、確かに俺は12月より頑張った。確実に。でもそれは持続できているのか?世界をよくできているのか?お前は40で死ぬんじゃないのか?時間がないだろうが。

生きてしまったこの命をどうするんだ。27で死ぬこともない77億分の一だぞ。志村が死んだ29になるんだぞ。津野米咲が、三浦春馬が死んだこの世界を俺はいけしゃあしゃあと生きているのに、何なんだ。

 

ここまでの文章に対して思っていることは一言一句真実で、書きながら気持ちも全く収まらないはずなのに、俺がどこか入り込めていないのはなぜなんだ。炎が強火じゃないのはなぜなんだ。

心のそこで今の俺にはできないと思っているのか、他人事だと思っているのか。

 

2020年の振り返り

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2020年は本当にどうしようもない一年だった。

 

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自分でいうのもなんだけど、わりと人生の運が良い方だとは思う。

特に秀でた能力もない僕に対して、そんな人間でも人生を一番捲りやすい””勉強””をする環境をお金を惜しまず与えてくれる親に出会った。小中高と、今でも話を聴きたいと思える素晴らしい友人に出会った。

そんな中で、どうにか分不相応な大学に入ることができた。勉強を何もやる気がなくて、寝る以外は音楽を聴くしかしないような自分とも楽しく遊んでくれる友人に出会えた。僕の肥大化した葛藤を面白がってくれる友人にも出会えた。本、映画、服、ラジオ、野球、陸上…気になるカルチャーはなんでも話せる友人にも出会えた。

こんな生活をして留年したにも関わらず僕(それも大学から何も成長していない)を雇ってくれる会社にも出会った。今の自分でもそれなりにはやれるけど、絶妙にストレッチが必要な環境でもある会社に出会った。今思うと幻想のような環境の会社に出会った。

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2019年の10月、僕自身も今となってはいつなんで仲良くなったか分からない(けど大好きだという確信は揺るぎない)後輩と飲んだ。お互い、人生に葛藤している者同士。後輩はお酒を全然飲めない(たまには飲むのかもしれないが、僕は知らない)が、いつも朝まで付き合ってくれる。全然なんてことのない話なのに。でも?、夜明け前は人のやりきれなさが一番増大するらしいから、大体僕は一緒にいる時に泣くかはしゃいでるかどちらかをしてしまうんだけど、いつもそれも見守ってくれている。

その日ははしゃぐパターンだった。何の話だったかは定かではないが、レベルの高低はさておき日々葛藤し続けていながら前進しきれない現状なのは認めつつも、確かに在る反知性的な生が許せなくて、それに僕たちはどうしても中指を立てたなくなっていた。し、なんならそう在ろうとする自分たちをが好きかもしれなかった。

ただ、そうした話の先に見る朝日(なのか?)は最高に美しいもので、それを見ることは心象風景を見ることとすら思えていた。事実、あの日見た駒場キャンパスの朝焼け以上に美しい景色はいまだに見たことがない。

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元々僕は

・自分が尊ぶ美しさより大事なものなどない

・長生きするというのは本来的に目的になりえない

みたいな価値観がわりと強く、これ以上のことはないと思った時に自分は死ぬんだろうと思っている。そしてその意味で27clubに対する憧れみたいなものが強い。

けど、今年29になろうとしている僕は今日も生きている。生きていることを喜ばしいことだと思っている日の方が多いかもしれない。たとえその日その瞬間を全うし、あるいは悔しがっていても、なんだかんだで毎日をボチボチ楽しくやっていってる。

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2020年の3月、後輩とまた飲む機会があった。奇しくも僕が28歳になる誕生日の頃。

その日、後輩からたまたま小説をもらった。あえて話の詳細は書かないけど、なんというか石を積んだモノにしか見えない””光””があるんだなと思った。今思うと、その光は10月の朝焼けに同義だったんだろう。そして、この日10月と同じように立ち会った駒場キャンパスの朝焼けもそうだったんだろう。あの時、俺は確かに、石を積む者にこそたどり着ける、"”確かな””光があると思った。というか、そこに石を積んだ者がたどり着けないなんてことは絶対あってはならないと思った。加えて、恐らく初めて、そんな風に石を積んでる他者のためになら俺は本当に粉骨砕身できるとも思った。そんな奴の未来が暗黒であったらあかんやろ。そして俺はその日その瞬間石を積んできたんか?

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2020年の4月、緊急事態宣言があった。物理的な移動と食によって生活に変化を付けるタイプの僕にとってこれは予想通りに中々の負荷だった。確かに毎日もがき続けながらしのいでいるつもりではあったが、仕事は前に進まないし、1月から続けていた辛うじて毎日を全していると自認するためだけの作業みたいな勉強も全く手につかなくなった。

今となっては正直当時のことは覚えていないけど、僕は周りの情報を聞いてなんとかこの生活に対応しようとしていたんだろうなと思う。今まで以上にニュースを見たりあまり興味のなかった情報番組やワイドショー、友達の話を聴いたりして、大多数の人がそうしているように見えるそれと同じように振る舞ってみたいたんだろう。

これを機に「ステイホームの充実だ」などど移動の自由を奪われた嘆かわしい人間の涙ぐましい風説を安請け合いして"オウチゴハン"を充実させようとして飲食を楽しんだり、自分の可能性を拡げる良い機会だとかいうインチキプロレタリアートの風説に乗っかって自由な時間に働いたりしていた。

そんな中で、どうにか毎日の生活を回していたら何とかなるんだろうと思っていた。そして何とかやっている自分には、仕事以外は酒を飲んで寝るしかしないような自分とも働いてくれる同僚や僕の過剰な未来志向に付き合ってくれる上司もいる、と思っていた。

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気が付けば、オーバーペースで完全に仕事が出来なくなっていた。4-6月の仕事のパフォーマンスは最悪で、上司のMTGで僕の話題になっていた。飲酒量も、その飲酒量の元でもあろうストレスはとんでもなくて、お酒は吐くし髪は抜けた。ただでさえ中性脂肪は増えてるし前髪は後退しているのになんてことを…。7月は仕事をセーブさせてもらった。

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ところで、仕事の状況もあったのか、大学以来色んなものに触れた。

・あちこちオードリーは去年にも増して面白かった。今までずっと葛藤してきた若林がここにきて人間に興味があるなんて、シンプルに先をいかれた

・ドリームマッチは、面白いことを制限の中で最大限にアウトプットしようとする人間の魂を見た

・GI CLIMAXは普通に泣いた。限られた状況でその一瞬を削り出したプロレスが一番すげぇ

・ラジオは改めて最高の人生のおかずだった。ラジオでのキレ芸をしくじり先生に持ち込む澤部にコンテンツを楽しむ素晴らしさを再認識させられたし、さらばのタダバカは二度と聴かない。

・ニューヨークは2020年にもなって一軍二軍とか言ってて恥ずかしくないのかと思うけど、エレパレを見たときに彼らは自分の信じる道を行くと決めたんだと思わされて、どうにか分不相応な大学に入った自分を思い俯いた

・有吉の壁、こんなに優しい世界があるのかと思った。「大都会の敗北者安村昇剛」は今思い出しても泣いちゃうし、かもめんたるが活躍する世界戦が2020年にあるとは思わなかった

・ひなあいと、あざとくて…はいい番組だった。プレイヤー全員が目的に対してまっすぐでストイックだった

・火の丸相撲を久しぶりに読んだ。俺たちは自分の信じる道を行くしかない。何が正しいかなんてわからない、でも行くしかない。たとえ返せない覆水がそこにあっても…

アイシールド21も久しぶりに読んだ。俺たちは戦場に立ったら今あるもので戦っていくしかない。けど、今あるもので戦うことと今あるカードを増やすことは別問題で、そして両立するなと再認識てきた

・テイラーの新譜はよかった、この世界にこんなまっすぐな歌手を原点のフォークで歌えるのか…

・音楽ではサニーデイもよかった。大ベテランのいつまでも新鮮な歌詞と瑞々しい音楽に触れると足を止めてる場合じゃないなと思えた

石田ゆり子のインスタ配信は一切何も生まなかったけど、これ以上なくシンプルに、そして最上に幸せになった

・陸上の日本選手権もよかった。たかだか20歳前後の人間がお金使って長々走ってるだけと言われればそれまでだけど、それを分かっていてもそこに立つ努力をし続け、当然(のように)最後まで泣き言を言わない姿に悔しくなった

新谷仁美がTWO LAPSから積水化学所属になって実業団を走るとき「看板を背負うのは日の丸と一緒、プロとして走る」と言っててマジで辛くなった

津野米咲の音楽はいまだに聴けない

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10年代後半には並行世界への憧憬を終え、絞り出す情動のアウトプットが再注目されたされたように思う。そして、そのアウトプットができる人とは、これまで石を積んできた人たち、もう少し言うとこれまでも走り続けてきた、周囲に甘えず準備をしてきた人たちに他ならない。

文化芸術以外でも、ポカリスウェットのCMのような僕が嫌いなコンテンツでもそれはあったし、読売巨人軍Youtubeもそうだし、ユニクロのマスクや北米で店を閉めるスタバもそう。

 

僕が不調を言い訳に腰が重くなって向上心を後退させている間に世界中の人が全身全霊で生きている。その一歩を削り出している。どんなに小さくても石を積んでいる。皆。俺以外の皆。

 

久しぶりに友人からもらった小説を読んだ。

僕は。俺は

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自分でいうのもなんだけど、わりと人生の運が良い方だとは思う。

特に秀でた能力もない僕は周囲の人とモノのおかげでここまで来た。周囲の人とモノにただ乗りしてここまできた。28年を生きた。

だけど、いや当然今の僕には何もない。だって石を積んでないんだから。幻想は真実に勝てやしない。

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2020年12月から、自分の生活を管理するアプリを導入した。本来的には刹那を尊ぶタイプなので自分の生活を管理して改善するなどというのは僕の価値観に大きく反する。でもとりあえずやるしかないと思った。

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元々僕は

・自分が尊ぶ美しさより大事なものなどない

・長生きするというのは本来的に目的になりえない

みたいな価値観がわりと強く、これ以上のことはないと思った時に自分は死ぬんだろうと思っている。

それ故なのか、そうでないように見える生を(恐らく過剰に)嫌気している。そう見える生こそが、自分らしさこそが最強だと信じているから。

 

俺は自分が尊ぶ美しさを極めるために石を積んでいるのか?或いは自分が尊ぶ美しさを捨ててでも目の前のことに石を積んでいる世界に目を向けたか?その意味で俺は他者に粉骨砕身できているのか?

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ところで、2020年の11月、後輩と飲んだ。オフラインで会うのは3月以来だ。いつものように変形させられ続けるイデオロギーについて喋り続けてた。駒場キャンパスはコロナで閉鎖していた外部の人は入れないらしい。お互いの上京以来初めて会ったお店で朝まで喋った。あの日、朝日は見ていない。

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2020年は本当にどうしようもない一年だった。

でも、2021年はもっと良い一年にするよね。

#2020年ベスト男の子ランキング

1分前に女の子ランキングを終えて戻ってきました。多分今日この2本で5,000字くらい書くんだけど、疲れた。毎日10,000字とかアウトプットできる人すごい。

 

というわけで、こちら男の子のベスト10行きます。

hugallmyf0128.hatenablog.com

 

 
10位:さか月の大将(その他)
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※本人無許可なので写真はお店の料理のみ
料理美味しい。イケメン。どんなに忙しくてもそれを表に出さず優しい。間違ったことに厳格。良い大人です。さか月、めちゃくちゃ美味しいのでその意味でも行ってみてほしい。
 
 
9位:佐久間宣行(テレビ東京/TVプロデューサー)
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去年からANN0をやっていたけど、ラジオを今年から聴き始めたら、まぁ面白い。ゴッドタンとかあちこちオードリーとかでは有名だけど、当然面白いことに貪欲でやりたいことが漠然としていないからいい仕事になるんだろうなと。だから若様も信頼しているし西野も(半ば強制的にだが)テレビに出るんだろうなと。
僕も自分が取り組むこと、他人と取り組むことへの解像度をあげていきたい。
 
 
8位:DJ松永(Creepy Nuts/DJ)
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めちゃくちゃ泥臭くて生々しい生を歩んでいるなと。正直文章や会話を聞いててすごく頭がいいとは思わないんだけど、今まさにこの瞬間に対して葛藤を続けてきただろうからアウトプットに常に血が通ってるんだよな。俺たち社会人になって似たような毎日を過ごす中で人生から退場した気になっていないか?
 
7位:田澤廉(駒澤大学/長距離選手)
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テレビの前で思わず土下座してしまった。勿論好きなチーム(駒澤大学)を優勝に導いてくれたのはありがたいんだけど、圧倒的な強さがチームそのものを変えているし、その過程で自分の意識までも変わっていってて、まさに主人公。力を付けて意識を変えるし、意識を変えて力を付けるし、その両方で世界(=共同体)を変えていくぞ。
 
 
6位:野田クリスタルマヂカルラブリー/お笑い芸人)
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ついに結果がついてきた天才。転がり続けた天才のタクティクスがハマった時は無敵だよな。完全に決勝の2本目は優勝笑いを取れてたと思っている。本当にうれしい…平場もバラエティも面白い野田クリをはやく世間は知ってほしい。
 
 
5位:西浦博(京都大学大学院/医学者)
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言わずもがな。今年をこの人抜きには語れないし、この人に対して不安を扇動するとか言った人はお願いだからその考えを悔い改めてほしい。破局を回避するための行動が、結局その回避に成功したときに「あそこまでしなくてよかったんじゃないか」と思われるなんてそんなディストピアあるかよ…。俺たちがこの人を推さない(まぁあんまり推すとかの概念ではないけど)世界を作ってはいけないよ。
※コロナの当初は北大でしたが2020年8月から
 
 
4位:藤井風(歌手)
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今年の救世主。音楽よすぎでは?HELP EVER HURT NEVERもめちゃくちゃよかったですが、個人的にはバンザイを歌っているこの動画が一番好きです。僕の御託はいいからこの動画を見てくれればもう十分です。

 

3位:有吉弘行(芸人)
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有吉の壁見てるけど、この人こそ誰も死なせていないんだよな。力を付けた人間がそれを世に還元する、マジであるべき姿だろ。それは人としての美しさという意味でも勿論だけど、職業人としてもそう。
 
2位:Toyoda9a(その他)
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突然の自分。
学もない収入もない見た目も性格もめちゃくちゃ悪い、そんなくせに、或いはそんな奴だからこそ自分の27年間を一丁前に持て余してだけはいて、そして死ぬこともなくこの年になってしまったときに、なんか人生に対して少しだけ腹が括れている気がしている。そしてそうなった時にもう俺が俺を推すしかないんですよね。
 
1位:若林正恭(オードリー/お笑い芸人)
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若様。葛藤して、その葛藤と真摯に向き合ってその結果として世の中への向き合い方をこの年になって見出している。最高では?又吉先生になれない僕らは若様を目指さないといけない。でも若様にはなれない。DJ松永にそうですよね?ってめっちゃ言いたい。
女の子ランキング同様、0.1秒で1位が決まりました。
 
 
結局のところ
・当該の事象や集団に対して自分が責任感を持ち(=プロフェッショナルであり)
・それをプロフェッショナルである以上何であれ全うする
・そのためにもとことん己(の実力と心)に向き合って
・尊ぶべきことを胸に
・たとえ何があっても
・手を動かすしかない
んだよな。
でも、
・それが簡単にできないウンコな自分を28年間見続けてきた
・だからこれらができている人の姿に元気をもらってでも手を動かすしかない
・それは糞ださくてクールじゃないんだろうが
・たとえ何があってもやるしかないからやるしかないんだから。
 
クールであるのはまたその先の話。
来年は、去年もぼんやりと掲げててできなかったけど、兎に角手を動かすことを目標にやっていきます。ぶち殺すぞクソボケが。