雑記:僕のベストアルバム2023

2023年の振り返りなのに年内にできなかった…。

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いや、でもやらずに逃げ出すよりは良いから、1/1の今からでもやるか…。

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と思って、ルールやトンマナの確認のために去年のものを開いてみたら、更新日が「1/22」。 

toyoda9a.hatenablog.com

 

去年からの成長が見える、良いスタートですね(良いスタートとは言ってない)。

まーしょうがない

まーしょうがない

  • KOHH
  • ヒップホップ/ラップ
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

 

 

というわけで、やります。

まずルールはこちら。

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【ルール】

以下条件を満たす作品であること

・2023年に発売されたアルバム・EP

・作品を通し(曲順通り・途中停止無し)で1回以上聴いている作品

 

【判断基準】※取り消し線・赤字は去年までとの変更点

僕自身がその作品を聴くという体験を通して豊かになれること(という、大方針と、それを左右すると思う4つの観点(MECEではないが))

出会ってよかったと思える音楽であること(ざっくり、以下4つの視点の掛け合わせ)

・ジャンルまたはバンドやグループの文脈において新奇性があること

・今後も長く聴き続けたくなるエバーグリーンな作品であること

・その人にしか出せない独自性を感じるアウトプットであること

・在りたい自分(To-be)と、現状の自分(As-is)のどちらかの意味合いで、印象的であること

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10.miss you / Mr.children

miss you

miss you

ミスチルの約3年ぶりの新作。個人的には、キャリアの第一線から(結果的に)離れた人間が、「今の第一線というもの・今の自分たちが積み重ねてきたもの・一方で今の自分が持ち合わせていないものの狭間なの中で苦しんで、それでも自分たちとはこう思うんですよ」と言っているように感じた一枚。

この年齢になって、自分がどう生きるかを考えさせられる(主体的に考えているようにも思うが)ことが多く、そうした時に外部刺激の力を借りることが少なくないわけだけど、だいたいは過程のその先の話が多いように思っているんですよね(自分の理解・解釈力の欠如な可能性はある)。

それも、その先の話は手を動かして光になるパターンか・手を動かして修羅になるか・それか止めるという選択肢をとるかに収束することが多いように感じている。勿論それ自体はまだ見ぬ未来に向けて進む動機づけにはなるんだが、一方で態度を保留しつつ意思表示をする、という在り方もあっていいように思っていて。

で、それを繊細で・鋭利で・でも分かりやすい音楽という自分たちが今まで紡いできたものに載せてアウトプットしているのもアツいな、と。

入りからずっといい曲が続くんだけど、そういう内面的なところがよかった一枚。ビッグバンドの新作なので、曲紹介とかはそこら辺の有識者やヲタクたちがやっているものをみてください。

あ、でもシンプルに音がよすぎてビビるのでそこは注目。

 


9.This is why / Paramore

This Is Why

This Is Why

これは、「音楽を聴くのってやっぱり楽しいなと思えた」というシンプルかつごく個人的な理由でランクイン。

色々と思うところがあり、「とにかく手を動かして、何かに触れて、知や経験それ自体を獲得していかなければ一生嫌いな自分のまま生きて、誇れる生き様なく死んじまうぞ」という思いのもと、去年までより積極的に多少の強制力を持ってでも音楽を聴こうとしていたのが今年(23年)のはじめ。

そんな中で、元々好きだったParamoreのアルバムがよすぎて、音楽を聴くという行為に自然とカムバックできたこと・積極的ではあっても必ずしも強制力を持って聴くことはしなくてもよいのでは?と思えたことがこの一年においてとても大きかったですね。

アルバム全体としても、前作After Laughterでのポップでカラフルでちょっとオールドスクールなところと、前々作までの激烈でパワーポップのパワー成分が強めなところと、それらの止揚にたどり着ている感があって好きです。

曲順に聞いてなんぼな一枚。

 


8.大吉 / Summer Eye

シャムキャッツの夏目君がSummer Eye名義で出した一枚。これ、もしかしたら将来カルト的に人気になったりしないかな…?と思っている怪作。

個人的にシャムキャッツの優しくてポップだけど、そういう認識を持たれていることには真正面から受け止めない不思議な音楽がとても好きだったんですよね。

なので?、解散してそうした音楽の方向性から変わってしますのであれば別にソロ名義を聴くのも…と思っていたし、一方でそうしたシャムキャッツのそれと変わりない音楽なのであればそれはそれで聴く意味もないし…と矛盾しているけど確かに両立した感情を抱いていたのが解散直後。

ところが、何の気なしに聴いてみたらキラキラと輝くポップミュージックが、二字熟語のみの飾らないタイトルで並んでいてびっくりした。しかもじっくり聴いてみると中南米っぽい独特のリズム感だし、音はアシッドハウス(なのかな?)ぽいもので作られていて。

先に書いた謎の感情のすべてを上回るアウトプットだったということで、もうこれ以上何も言うことはありません。

全体的に前向きで、ただありがとう…ありがとう…と享受するばかりであるな。

 


7.私は何を言っていますか? / kiss the gambler

What am I saying?

What am I saying?

  • kiss the gambler
  • J-Pop
  • ¥2241

最初はタイトルが面白いという浅い理由で聴きはじめたんだけど、スケールのでかいポップな音に、暗くはないけど繊細な心情描写を歌う朗らかな声で、柴田聡子を初めて聴いた時と似た気持ちになった一枚(柴田聡子の方が、もっと内省的で・ポップ要素は薄いと思うけど)。

似た気持ちになった理由は、多分だけど「自分が思っていること、自分が表現したいこと」にものすごく正直だからなんじゃないかなぁと。そして、それができるだけの自分との対話を繰り返している(≒自分に深く潜り、時には自分を内破するような営みを繰り返している)んだろうなと感じるから好きになったんだなとも思いました。

私は何を言っていますか?は本心でもあると思うし、私は何を言っていると(あなたは思い)ますか?という意味もあるし、私(たち)は何を言っていますか?という意味もあるのかな。いや好き。

あとアーティスト名もかっこよ。

 

 

6.映帶する煙 / 君島大空

このアルバムは、めちゃくちゃすごいんだけど、正直僕の音楽リテラシーではすごさを説明できないので、とりあえず一回聴いてください。曲順に素直に聞くのがベストだけど、雰囲気的には全部シングルみたいなところもあるので、断片的に聴いてもいいっちゃ良いような気がします。

音楽はギターがちょっとジャズっぽい感じ?、歌詞は描写の言わんとしていることが正直よく分からない(僕の頭が悪いだけ説は大いにある)、でも確かにめちゃくちゃすごいの、めちゃくちゃすごい作品だとは割と自信を持って言える。

kiss the gamblerもだけど、こういう人たちのこれからを追いかけて見てみたいな。



5.石のような自由 / 家主

石のような自由

石のような自由

  • 家主
  • ロック
  • ¥2444

このバンド、今まで知らなかったのが悔しいレベルでめちゃくちゃ良い。いや久しぶりにちゃんとライブに行きたいバンドに出会ったかもしれない。

歌メロはどこかに優しい印象もあるけど、結構演奏がアグレッシブで、なんというかロックバンドだな!と思う。ロックバンドってこんなんだわ、そう。スケールが大きくて技巧もあり、どこか情緒的な感じ。一曲目からエレキギターがかきならされていて。これはギターロックです。

と思いながら聞いてるとかなり精巧に作られていて自分の理解が追い付かなくなっている感もあるんだけど。

※映帶する煙に続いて文章が素っ気ないですが、中だるみしているわけではなくて本当に自分の理解が追い付かない上質さというだけです

 

 

4.luminous / ART-SCHOOL

ART-SCHOOL、時を経ても変わらず、いや一層ART-SCHOOLでよすぎる…。

まず、「記憶を掻き立てる装置としてのサウンドスケープの精度の引くほどの高さ」が良かった…。

透明感はあるんだけどディストーションもすごくて、でもそれがバランスよくなんならさわやかに共存した音を作るという印象がある。それが清濁どちらの要素もはらんでいる結果音が描く風景があまりにクリアになるのかな。

あとは、「葛藤と意志が描かれていて、そこに寄り添ってきていること」。

個人的にはART-SCHOOLとい基本的に自己と周辺の関係における繊細さを描いているバンドと理解していて。で、その時のスタンスは「繊細さゆえに自分が醜く情けなく消えたいときもあるよね、そうだよね、俺たち皆そうだよ(=葛藤パートへの寄り添い)」というメッセージを歌詞中心に、「でもそうして俺たちここにいるんだよ(意志パートへの寄り添い)」というメッセージを音楽中心に伝える、というものだと思っている。

これについて今回のアルバムで考えてみると、テーマが「喪失と再生」ということなので、喪失≒葛藤、再生≒意志みたいなことになるのかな、と。

それに加えて、長い活動期間や休止期間を経たからなのか、再生≒意志の部分が過去作と比べて色濃いのがよかったのだと思う。迷い続けた人間の力強さみたいなの、10位で触れた過程のその先の話ではないけど、長い人生における光なんですよね…。ありがとう…ありがとう…。

 

3.the record / boygenius

the record

the record

良い!!!俺たちは他の誰に・何に飲まれるでもなく、自分たちそのものを等身大に生きていくしかない!!!できるだけ大きな声を出して!!!

 

2.Get Up / NewJeans

曲も世界観も服装もPVも何もかも最早ノスタルジーそのものすぎて、存在した過去をそのまま描いていると思える世界観全体がNewJeansのすごいところだな、と。

初めてNewJeansを知った時は、1stのEPもDittoのPVがで既に出ていたタイミングて、どちらも感動したんだけど、一方でこの先どうなるのかなという思いもあったんですよね。なんというか練りに練られたことを隠さない感覚(と、でもそのギミックは深堀る余地が多くてファンを逆オオカミ少年にさせるところ)と、哀愁・悲壮感を若さと女性性に混ぜ合わせて売り出すところと、マリオネット感とがサイレントマジョリティーのころの欅坂を思い出して尻切れトンボになるのかなという。

ただ、系統こそ少し違えど(個人的には1stの方が好き)ちゃんと練ってきたコンテンツを出してきて、正直プロデュースしているものと、(僕がマリオネットと言ってしまった)本人たちとの実力の差なのかな、と。

 

もうクオリティは当分は大丈夫だと思うので、この調子で世界に羽ばたいてください。気合入ったアウトプットを見れたシンプルな喜びと、曲が作りこまれているのでエバーグリーンとまではいわずともちゃんと大衆性があったのと、ベスト10の中ではちょっと浮いているけど入れないわけにはいかなかったですね…。

サウンドトラックの話やPVの作りこみの話は、方々で散々語られていると思うのでそれを探して読んでください。

 

1.ひみつスタジオ / スピッツ

Himitsu Studio

Himitsu Studio

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在りたい自分とは何で、そこに行く過程って何で、ということが未だに全然分からないけど(そういうものなのかもしれないが)、向き合い方を増やしながら、何かに触れて豊かになりながら、今年も生きていこうと思います。

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※おまけ

書きつかれたので言葉はないですが、上記には含めなかったけどよかったと思うものも少々…。

・家の外 / OGRE YOU ASSHOLE

積読ならぬ積聴をしてしまっていたEP、年越しのタイミングで先輩がおススメしてて聴いたらめちゃよかった。2曲目の「家の外」と、4曲目の「長い間」がよかった。

 

・40代はいろいろ / 宇多田ヒカル

シンプルにアレンジよすぎ

 

・永遠少女 / ZAZEN BOYOS

永遠少女

永遠少女

  • provided courtesy of iTunes

新譜楽しみすぎ。